| 開催日 | 2025年2月23日 |
| ゲスト | 藤森香衣さん |
| コメンテーター | 稲本 正 |
今回は藤森香衣さんがゲストとして登場しました。放送日は2月23日。稲本さんとは、2011年の“世界森林年”の頃からのご縁があり、今回は「久しぶりの再会」という雰囲気のなかで対談が進みました。
「進化=競争」だけではない。共生進化という考え方
番組の冒頭で稲本さんは、共生進化ネットの出発点を改めて紹介しました。
従来の進化論は、競争によって相手を打ち負かし、生き残ったものが進化するという見方が中心でした。しかし自然界をよく観察すると、昆虫が蜜を得る代わりに植物の花粉を運ぶような「助け合いの関係」のほうが、むしろ多いのではないか—そんな視点から「共生進化」という概念が語られてきたそうです。
そして、この考え方は自然界だけでなく、人間社会の問題解決にもつながるのではないか。稲本さんはそうした問題意識を、番組を通じて発信しています。
なぜ女性ゲストが多いのか? その理由も語られました
これまでのゲストには女性が多く、稲本さん自身も「なぜ女性ばかりなのか」と言われたことがあるそうです。
その背景として稲本さんは、日本のジェンダーギャップの状況を踏まえつつ、女性が実力を発揮しづらい社会構造があるからこそ、まず女性の声を前に出したいという考えを語りました。
藤森さんは、そうした流れのひと区切りとなる“最後のゲスト”として登場した形になります。
4月以降の新展開も発表。出版記念会の話題も
対談の前半では、4月以降の共生進化ネットの予定も共有されました。
山極壽一さん(ゴリラ研究の世界的権威)をはじめ、無農薬野菜に関わる取り組み、女性公認会計士の方、さらには『不都合な真実』翻訳者として知られる方など、多彩なゲストが控えているとのことでした。
また、稲本さんの著書の出版記念会や、受賞を記念した会の開催にも触れられ、番組自体が次のフェーズへ進んでいく空気が伝わってきました。
「大河ドラマみたいでした」藤森さんが語る稲本さんの本の感想
話題は稲本さんの著書へ。
藤森さんはすでに読了しており、
「情報量が多くて、知らなかったことが次々に出てくる」
「日本の100年の歴史と家族史が重なって、大河ドラマを見ているように進んでいく」
と感想を述べました。
稲本さんも、自身の父親が多くを語らなかった背景や、戦後史に関わる家庭の事情について触れ、家族史が本に込められていることを説明していました。
震災のあと「何かしなきゃ」と思った—出会いは2011年
藤森さんが稲本さんを知ったのは、東日本大震災のあとでした。
「何かしなきゃ」という気持ちは強いのに、誰かに指示されたわけでもなく、何から始めたらいいか分からない。そんな時期に、新聞で稲本さんの活動記事を見たそうです。
青山のスパイラルホールで、仮設住宅に関わる提案や取り組みをしている—その内容に藤森さんは強く惹かれ、「この方に会いたい」と思ったと語っていました。
当時はすぐに会えなかったものの、別の方の紹介を通じて縁がつながり、2011年の国際森林年の流れの中で、森や木のイベントを企画することになります。
「寄付だけじゃなく、希望が残る形を」森のイベントに込めた思い
藤森さんは、震災復興の支援が“寄付”に偏りがちになることに違和感を覚えていたそうです。
もちろん寄付は大切ですが、それだけではなく、これからの「仕事」や「生きていく希望」につながる形が必要なのではないか。そう考えた時に、「海がだめなら山がある」という発想が浮かび、森の可能性に目を向けたといいます。
そして企画の中で、稲本さんが行っていた「木の名前が書かれた積み木で子どもが遊ぶ」取り組みに出会い、「これは素敵だ」と感じて関わるようになりました。
芸能界にいながら“独特の距離感”を持っていた藤森さん
稲本さんは、藤森さんに対して「芸能界にいながら、どこか独特の位置を保っていた」と話します。
業界に染まりきらず、本を読み、一般の感覚を保とうとする姿勢が印象的だったそうです。
藤森さん自身も「業界人になりきれないところがあって、一歩引いていた」と語り、そこに自分の性格や向き不向きがあったのだろうと振り返っていました。
10歳でスカウト。カメラ位置が分からず“映らなかった”デビューCM
対談では藤森さんのキャリアの原点にも触れられました。
10歳の頃にスカウトされ、子どもモデルがまだ珍しかった時代に活動を開始。学業を優先し、休まないことを条件にスタートしたそうです。
初めてのテレビCMでは、周囲が必死にカメラに映ろうとする中で、藤森さんはカメラ位置が分からず“埋もれてしまってほとんど映らなかった”という、意外でかわいらしいエピソードも語られました。
その後は数多くのCMに出演し、20歳で母親役を演じた経験もあるなど、落ち着いた役柄を早くから任されてきたことが印象的でした。
次回は「生い立ち」へ。藤森香衣さんの“悩みと歩み”が深掘りされます
今回の配信は前編にあたり、稲本さんは「次回はもう少し藤森さんの生い立ちや、何を悩みながらどう生きてきたかを詳しく聞きたい」と予告しました。
震災をきっかけに“森”へ希望を見出し、そこから生まれたご縁が、今こうして対談として再び結ばれる。
今回の回は、共生進化という言葉が、思想としてだけでなく「人と人のつながりの形」として立ち上がってくるような回でした。
